行方不明の米国人男性、シリアで発見 巡礼者として入国し刑務所に
数カ月前から行方不明になっていた米国人男性が、シリアの首都ダマスカスで発見された。男性はメディア各社の取材に対し、シリアに巡礼者として入り、刑務所に入れられていたと話している。
発見されたのはトラビス・ティマーマンさん。ダマスカス南部の道路を裸足で歩いているところを地元住民が目撃した。シリアではアサド政権の崩壊を受け、全土で刑務所に収容されていた数千人が解放されている。
CBSニュースの取材に対してティマーマンさんは、レバノンから国境を越えてシリアに不法入国し、刑務所で数カ月間拘束されていたと語った。シリアには「スピリチュアルな目的で」渡航したと話している。
ティマーマンさんが収監されていた監房の扉が9日、自動小銃を持った男2人によって破壊され、ティマーマンさんは大勢の人たちと一緒に刑務所を出てヨルダンを目指そうとしたという。
刑務所での生活は「それほど悪くなかった」とティマーマンさんは言う。「殴られたことはない。唯一最悪だったのは、自分の行きたい時にトイレに行けなかったこと。1日3回しかトイレに行かせてもらえなかった」
ティマーマンさんは今年5月にハンガリーの首都ブダペストで目撃されたのを最後に行方が分からなくなり、ハンガリー警察が8月に失踪を明らかにした。家族の友人はフェイスブックへの投稿で、6月から行方が分からなくなったと伝えていた。
シリアでは米国人ジャーナリストのオースティン・タイスさんも行方不明になっているが、12日現在、タイスさんは見つかっていない。
米国のアントニー・ブリンケン国務長官は12日、シリアで同日発見された米国人1人を帰国させるよう取りはからうと語った。