「患者、金づるか」 紹介ビジネス、過剰診療の恐れ
高齢者施設で暮らす患者は、施設が薦める医師の診察を受けることが多く、患者紹介ビジネスに組み込まれて「売買」されていても、気づいていない人がほとんどだ。
そればかりか、過剰な診療を受けたり、診療水準が落ちたりする恐れもある。
茨城県にある有料老人ホームに入所していた女性(82)の長女(55)は、3カ月前を振り返る。
医師は血圧と血糖値を測って「現状維持です」と伝えるだけで、母はどんどん痩せ、家族が声をかけても母の反応はにぶくなっていった。
長女は不安にかられ、2カ月後に施設を変え、今は別の医師から丁寧な診察を受け、自分で食事をし会話もできるようになった。
「いま考えれば、粗末な診療でした。私たちが払った医療費から紹介料が払われているのなら、許せません。いい金づるなんでしょうか」
通院することが難しい患者を月2回訪問したら、医師が受け取る診療報酬は6万円を超える。外来の15倍だ。
高齢者施設の30人をまとめて訪問すれば、月180万円が入り、業者はその2割程度を毎月、自動的に手に入れることができる。
NPO法人高齢社会をよくする女性の会・樋口恵子理事長は「高齢者や病人の人身売買だ。体が弱っていく時期に、営利だけを追求する人々の利権によって食い物にされるのかと思うと許せない」と憤る。
一方、紹介業者の多くは「うちだけでない。ほかもたくさんやっている」と言う。
大阪府の業者は「医師の要望で始めた。医師支援の一環だ。我々も人件費などコストがかかっているので(紹介料を)もらっている」と反論した。
そればかりか、過剰な診療を受けたり、診療水準が落ちたりする恐れもある。
茨城県にある有料老人ホームに入所していた女性(82)の長女(55)は、3カ月前を振り返る。
医師は血圧と血糖値を測って「現状維持です」と伝えるだけで、母はどんどん痩せ、家族が声をかけても母の反応はにぶくなっていった。
長女は不安にかられ、2カ月後に施設を変え、今は別の医師から丁寧な診察を受け、自分で食事をし会話もできるようになった。
「いま考えれば、粗末な診療でした。私たちが払った医療費から紹介料が払われているのなら、許せません。いい金づるなんでしょうか」
通院することが難しい患者を月2回訪問したら、医師が受け取る診療報酬は6万円を超える。外来の15倍だ。
高齢者施設の30人をまとめて訪問すれば、月180万円が入り、業者はその2割程度を毎月、自動的に手に入れることができる。
NPO法人高齢社会をよくする女性の会・樋口恵子理事長は「高齢者や病人の人身売買だ。体が弱っていく時期に、営利だけを追求する人々の利権によって食い物にされるのかと思うと許せない」と憤る。
一方、紹介業者の多くは「うちだけでない。ほかもたくさんやっている」と言う。
大阪府の業者は「医師の要望で始めた。医師支援の一環だ。我々も人件費などコストがかかっているので(紹介料を)もらっている」と反論した。