温暖化で「年148兆円損失」…穀物などに打撃
地球温暖化が暮らしや生態系に与える影響を評価する国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC※)」第2作業部会の最新報告書の原案が明らかになった。
温暖化の影響で世界全体の穀物生産量は今後10年ごとに最大2%ずつ減少。
経済損失の総額は、海面上昇による土地の消失や観光への影響を含めて最大に見積もった場合、今世紀末までに年間148兆円と予測している。
損失額は日本政府の来年度一般会計予算案(95兆円)を上回る。
報告書は温室効果ガスの削減に加え、温暖化の進行に備えた「適応策」の重要性を強調している。
報告書のとりまとめは5回目。
加盟195か国の温暖化影響の専門家や政府関係者が参加して、3月25〜29日に横浜市で開かれる総会で協議される。
原案に対して、各国政府から2000件以上の意見が寄せられており、原案は修正のうえ、承認される見通しだ。