再び歌舞伎町に集まり始めた「トー横第2世代」そのスゴい特徴
相次ぐ事件と警察による取り締まりの強化により姿を消したかに思われた「トー横キッズ」だが、何やら復活の兆(きざ)しを見せ始めているようだ。
4月11日、「トー横」に出入りしていた18歳の少年が警視庁に逮捕された。容疑は、14歳の中学2年生の少女に歌舞伎町のインターネットカフェで売春をさせたというもの。少年がSNSで集めた6人の客を相手に、少女は1回2万5000〜3万円で売春をし、合計20万円を稼いでいたという。
報道によると、逮捕された少年は「トー横界隈の有名人がファンの少女らに貢(みつ)がせていることを知り、自分もやろうと思った」と供述しているそうだ。
トー横では以前から、売買春が問題となっていた。元「トー横キッズ」のアヤト(仮名・21)が言う。
「逮捕された奴は、やり方が下手でしたよね。トー横にはもっと上手くやっている奴もいっぱいいます。上手な奴はコンカフェとかバーで働きながらファンの女の子に貢がせる。女の子が勝手に売春をして、勝手に貢いだというテイにして、自分に責任が及ばないようにするんです。トー横界隈の人気者の中には、女の子から『私が泊まってるホテルにおいで』とカードキーを大量に渡されて、遊戯王のデュエリストみたいになってる奴もいましたよ(笑)」
4月1・8日号のこの連載で紹介した「トー横四天王」は、’18年頃にトー横に入り浸っていた初期メンバーはほとんどが別の場所で活動するようになったと語っていた。どうやら現在のトー横には、カリスマ的な人気を集めた初期メンバーに憧れを抱いていた、少し下の世代の少年少女が集まっているようだ。
もともとトー横は、「楽しく酒を飲む」ためのコミュニティだった。しかし今は、「友達を作ってつながる」「推しに会いに行く」「動画を撮る」と、必ずしも「飲酒がしたいから」行く場所ではなくなってきている。トー横黎明期は「酒の強さ=地位の高さ」だったらしいが、今ではそういった習慣も形骸化していると思われる。
そんな「トー横第2世代」とも言うべき少年少女たちは、警察の取り締まりを怖れて集まっていなかったわけではなく、単純に寒い冬の間は路上でたまるのが億劫だっただけ。暖かくなってきたからトー横に出てきたというシンプルな理由のようだ。
新たなカリスマも生まれてきている。TikTokを覗(のぞ)くと、2003年生まれの18歳の少年が自身の踊っている動画をさかんに投稿しており、彼に憧れる少女たちのコメントが数多く観察できる。
「え、めっちゃ可愛い」「かっこよすぎ無理死んだ」「トー横行けば会えますか?」……。コメントを残していた少女のアカウントのプロフィールを見ると、「#09」とある。2009年生まれの今年13歳になる女の子のようだ。
トー横で事件が頻発していたのは、昨年のことである。日々忙しく働く「大人たち」からすれば、数ヵ月や1年というのはわずかな時間かもしれない。しかし、「トー横界隈」という場所では、そんな短い期間で早くも新陳代謝が行われているのだ。
まだまだ今後も「文化」として栄えそうな「トー横」。未成年の少女を買う大人に問題があるのはもちろんだが、新たな世代が集まることによって、再び事件が頻発、なんてことにならなければいいが……。