中国・蘇州の日本人母子切りつけ、52歳男に死刑判決
中国江蘇省蘇州市の中級人民法院(地裁)は23日、2024年6月に同市で日本人の母子らが刃物で襲われた事件を巡り、故意殺人罪で起訴された中国人の男、周加勝被告(52)を死刑とする判決を言い渡した。日本の外務省が明らかにした。
裁判は現地時間午前10時ごろ始まり、10分程度で終了した。判決の言い渡しでは日本への言及はなかった。在上海日本総領事館の岡田勝総領事らが傍聴した。
事件は24年6月24日午後4時頃に蘇州市内のバス停で起きた。日本人学校のスクールバスの出迎えで現場を訪れた日本人の母親と未就学の男児が刃物で切りつけられて負傷し、制止しようとしたバスの案内係の中国人女性、胡友平さん(当時54)が刺されて死亡した。
被告は刑事拘留され11月29日に起訴され、25年1月9日に初公判が開かれた。外務省の説明によると、借金から生きているのが嫌になったのが動機という。安徽省から蘇州に来たばかりで無職だった。
中国共産党は24年7月、事件で犠牲になった胡さんに称号を授与し、「正義のため勇敢に行動した勇士」としてたたえた。
景気減速が続く中国では子どもらが巻き込まれる殺傷事件が相次いだ。広東省深圳市では24年9月、日本人の男児が登校中に男から刃物で刺され死亡した。日中関係筋によると、24日に深圳で初公判が開かれる。