歌舞伎町ビル火災から20年 消防が雑居ビルを立ち入り検査
44人が亡くなった東京・新宿歌舞伎町のビル火災からまもなく20年となるのを前に、東京消防庁は27日夜、歌舞伎町の雑居ビルの立ち入り検査を行い、避難経路が確保されているかどうかなどを確認しました。
27日夜は東京消防庁の職員12人が歌舞伎町に集まり、16棟の雑居ビルを対象に抜き打ちで検査を行いました。
20年前の雑居ビル火災では、避難経路となる階段に大量の段ボールやロッカーなどが置かれていたほか、防火扉も近くにあったビールケースなどで閉まらない状態になっていて、こうした不備が大惨事につながったとされています。
このため、立ち入り検査では避難経路が確保されているかどうかを重点的に確認し、管理者に対し、階段に置かれている物などを撤去するよう指導していました。
東京消防庁によりますと、歌舞伎町の雑居ビルはテナントが頻繁に入れ代わることもあって違反が繰り返されるケースが多く、昨夜も16棟のうち13棟で避難経路に障害物があるなどの違反が確認されたということです。
検査を行った東京消防庁新宿機動査察隊の松田知也消防司令補は「歌舞伎町の雑居ビル火災からまもなく20年となる中、火災に対する意識が薄れつつあるので、当時、多くの人の命が奪われたことを丁寧に伝えながら、二度と同じことが起きないよう指導を続けたい」と話していました。