歌舞伎町に蔓延する新たな薬物“シャーペン”「シャブって言われると怖いけど…」
1回目の緊急事態宣言で歌舞伎町から酔客が消えた。しかし、一度まっさらになった街に、人々が戻り始めている。
新陳代謝を終えた今こそが、歌舞伎町の転換期であることは言うまでもない。変貌を遂げる東洋一の歓楽街の最前線に迫った。今回は歌舞伎町に蔓延する新たな薬物の事情を探っていく。
◆電子タバコで吸引できる覚醒剤リキッド
ここ数年、若者を中心に広まっている薬物「大麻リキッド」は、その成分が入ったカートリッジを電子タバコなどの本体に取り付けて吸引することが多い。その形状から、通称「ペン」とも呼ばれている。
しかし、ここ歌舞伎町においてはすでに「ペン」は過去のものだ。現在この街では、「シャーペン」なる薬物が流行しているという。電子タバコで吸引できるように加工した覚醒剤リキッドのことで、国内では’18年に初めて摘発された。自身も「シャーペン」を愛用している歌舞伎町で風俗のスカウト業を営む男性が言う。
◆1本1万円
「シャブペンでシャーペン。歌舞伎町に出入りする暴力団のシノギになっていて、私は売人から1本1万円で買っている。目的はみんなS○X。1本あれば2人で一晩楽しめる。売人としてはまずはシャーペンで慣れてもらい、次第に炙りやポンプにも手を出させ、上客に育てたいんだろうね」
◆カッキーンとはこないけどジワッてくる感じ
スカウトやホスト、違法カジノの店員など歌舞伎町の住人たちが売人から購入し、そこからキャバ嬢や風俗嬢などの女性たちにも流れていく。前出の男性が横流ししているというキャバ嬢が話す。
「吸った直後は“こんなの遊びじゃん”って感じで、炙りに比べたら8割くらいの効き目なんだけど、次の日になるとまた吸いたくなるんだよね。カッキーンとはこないけどジワッてくる感じ。何より歩きながら吸えるのが長所だよね。名前もカジュアルでキャッチーだから、ほかにも吸ってるコいるよ。“シャブ”って言われると怖いけど、“シャーペン”って言われると大丈夫かなってみんな思うんだよね」
言い方ひとつでここまで違法薬物に対する認識が変わってしまうとは恐ろしいものだ。