歌舞伎町タワー、ジェンダーレストイレの次は「無銭飲食問題」が勃発…「タバコで席を立ってそのまま帰っちゃう」
「オープンしてから無銭飲食がよく発生しています。上司からは、『よくお客さんを見ておくように』と言われますが、迷惑きわまりないですよ」
こう肩を落とすのは、東急歌舞伎町タワーにある飲食店『横浜中華食祭』のスタッフだ。
“眠らない町” 新宿・歌舞伎町の新名所になった東急歌舞伎町タワー。4月14日の開業以来、平日、休日とわず観光客でにぎわいを見せる一方、性別に関係なく利用できる「ジェンダーレストイレ」が物議を醸したことでも知られる。
しかし、今度は、2階のフードホール「新宿カブキhall〜歌舞伎横丁」で新たな問題が起きていた。
「新宿カブキhall」には、北海道〜沖縄県までのご当地グルメや韓国料理を味わえる10店舗の屋台風の飲食店が入っており、約1300席用意されている。オープンから約1カ月半、本誌記者が訪れると、平日の16時頃にもかかわらずどの店も半分以上の客が入り、「中華料理はいかがですか〜!」などと店員も声をかけあい、全体的に活気づいている。
常連客の男性が、ある “トラブル” についてこう明かす。
「フロアーの真ん中にある店舗で食い逃げが多発しているんです。KABUKI CAFEは『黄金のレモンサワー(4999円)』など、インスタ映えするお酒が揃っていて、夕方を過ぎるとほぼ満席状態。
店員さんも常にフル稼働なんですけど、お店の周りが飲食店街の通路になっていて、店員さんが見ていない隙に食い逃げしちゃうんです。
話を聞いたら、『1日に数回やられたこともあって、このまえは6人で来店したお客様がこっそりいなくなっていました。店側も相当注意しているけど、対策がなかなかなくて……』と、嘆いていた矢先、私の近くに座っていた若いカップルがバンバン注文した後、しれっと食い逃げしていました。追いかけてもすぐに人ごみにまぎれて、『3万円くらいやられました』と、店員さんは悲しそうでしたね」
実際に店舗に話を聞くと、スタッフも参った様子で、「無銭飲食が発生しているのは事実です。いつもは1人か2人の少人数で来るお客さんが多いですね。気づいたらいなくなっているので、どんなお客さんだったかわからないときもあります」と話す。
この現状に、別の飲食店スタッフがこう話す。
「奥のほうにある店舗だと無銭飲食されにくいですが、廊下に面しているところだとやられやすいと思いますよ。週末とかはとくに人が多くごった返しているので、そのまま立ち去ったとしても気づかないし、追いかけられないです。あと、飲食エリアには喫煙スペースがないので、タバコで席を立ってそのまま帰っちゃうなんてこともあるでしょうね。
うちの店舗だと、対策として、席を立つときはグループのなかで必ず1人は残ってもらっています。常に従業員がお客さんが席にいるか見ていることもあり、幸い無銭飲食されたことはないです」
ちなみに、「新宿カブキhall」内のすべての店は、後払いの会計システムを導入している。日本最大級のエンターテイメント施設で繰り返される犯罪行為は、頭を大きく悩ませる問題となっていた――。