「トー横」の若者支援へ相談窓口…SNSから行動分析、「悪意ある大人」には警告も
東京・歌舞伎町の「トー横」と呼ばれるエリアで若者らのトラブルが相次いでいることを受け、東京都の青少年問題協議会は28日、SNSを活用した実態把握や相談窓口の設置などを盛り込んだ総合対策の素案を取りまとめた。7月下旬にも小池百合子知事に答申し、都は対策に乗り出す。
トー横では、行き場のない少年・少女が集まって飲酒や喫煙を繰り返し、性犯罪などの被害に遭う事例も後を絶たない。
素案では、SNSの投稿から若者らの行動パターンを分析するほか、集団で寝泊まりしているとされる周辺のホテルやネットカフェについて、業界団体と連携して情報収集するなど、「一歩踏み込んだ実態把握をすべきだ」と指摘した。
個別の支援策としては、トー横に代わる居場所を用意するため、民間団体などと連携した相談窓口を設けることを求めた。
家庭や学校で抱える問題の解決につなげられるよう、相談で得られた情報を関係機関で共有する仕組みも必要とした。
若者らに売春などを持ちかける「悪意のある大人」に対しては、スマホ利用者の興味に沿った広告を表示するターゲティング広告や、街頭のデジタルサイネージ(電子看板)を活用し、警告を発信すべきだとした。
互いに見知らぬ少年・少女が繁華街の一角に集まる現象は、トー横のほかに、大阪・道頓堀にあるグリコ看板下の「グリ下」など各地で確認され、警察が巡回や補導に力を入れている。
素案を取りまとめた土井隆義・筑波大教授(社会学)は、「トー横に集まる青少年は支援が必要で、取り締まって閉め出しても根本的な解決にはならない。都が支援に加われば、警察や支援団体などとスムーズに連携でき、より実効性のある対策がとれるはずだ」としている。