リンチ被害にあったとみられる学生ホストとホストクラブの採用案内

静岡市のホストクラブでアルバイトをしていた静岡大学の男子大学生・太田琢巳さん（当時23）に暴行を加えて死亡させたなどとして、同じ店で働いていた従業員の神谷勇輝容疑者（23）、実質的な店の責任者である海野智哉（30）容疑者らほか男6人が10月25日までに傷害致死などの疑いで逮捕された。
警察は、太田さんが日常的に“集団リンチ”を受けていた可能性も含めて捜査を進めている。

太田さんはホストクラブの従業員寮の浴槽内で、服を着ていない状態で見つかったという。地元紙記者が語る。
「9月6日の午後2時頃、寮にいた関係者が『太田さんが息をしていない』と119番通報したことで事件が発覚しました。同日も太田さんはホストクラブで働いており、その後、泥酔した状態で従業員寮に運び込まれたといいます。司法解剖の結果、死因は気道に液体が入ったことによる窒息死であることが明らかになっています。また、太田さんの体には広範囲にわたる全治不詳のヤケド跡もあったともいいます。ホストたちには傷害致死のほか、わいせつな行為などを行った疑いもあるそうです」

同・地元紙記者が“リンチ”の実態について続ける。
「現場となった寮は、ホストクラブがある繁華街から徒歩10分ほどのところに位置しています。寮内はシンプル作りですが、寝室には2段ベッドが配置されており、彼らは共同生活を送っていました。関係者によると、被害者は普段からライターで皮膚を焼かれたり、肛門に爆竹を刺されたりとほぼ“いじめ”に近い状況にあったそうです」

このホストクラブは、地元でも“イケイケ”で評判の店だった。静岡在住の20代女性が証言する。
「地方のホストクラブはのんびりしたところが多いけど、このお店はイケイケな感じで盛り上がっていた印象です。最近は、看板は出ていても営業はしていない様子だったので、『どうしたんだろう？』と心配していましたが……」（静岡在住の20代女性、以下同）

この女性は、逮捕されたホストたちを知っているという。
「逮捕されたホストの1人は童顔でチャラい系でした。集客のためなのか、ホストの子たちはYouTubeチャンネルで動画を作っていて、『寝ている人にテキーラ飲ませてみた』っていうドッキリとか、見ていてハラハラする企画もありました。お店でも悪ノリしやすくて、若いのに声がかなり酒焼けしていました。ほかに『酒ヤクザ』とか『アルコールモンスター』を名乗っている人もいましたよ」

そんな“酒ヤクザ”たちの中で、太田さんは店に馴染めていない様子だった。
「亡くなった琢巳くんは1年ほど前から店で働くようになりましたが、お酒がそこまで強くないことに悩んでいました。彼はヘルプにつくことが多かったのですが、本指名のホストから飲まされていることも多かったです。国立大学に通っていたらしくて、普通っぽいところが好印象だったけど、優しすぎるのか、ホストの世界には馴染めていない感じがしました。『自信を持ちたい』や『かっこよくなりたい』と言っていたことがあるので、自分を変えるためにホストになったのかもしれません」

従業員寮で何が起きていたのか。事件の真相究明が待たれる。