「肋骨骨折、顔面を8針縫い、尿管と膀胱を損傷…」《歌舞伎町ホスト殺人未遂事件》逮捕の女(25)が語っていた“男の壮絶DV”と“復讐予告電話”「なんでこいつ普通に生きてんの」
11月5日午前1時半に東京・新宿の歌舞伎町で発生した殺人未遂事件。警察が殺人未遂容疑で現行犯逮捕したのは、その場にいたA子(25)だった。
首元をカッターナイフで刺され、その場に倒れていたのはホスト店勤務のBさん(23)だ。
血まみれでうずくまるBさんの前で、狂乱状態に陥ったA子はこう叫んでいた。
「オラァ! ふざけんなぁ! ボケ!」「クソガキよ! お前、人のことぶっ壊してな! 舐めてんなよ、コラァ!」
A子とBさんの間で一体何があったのか。SNS上では「ホストと客の色恋トラブルがきっかけではないか」という見方が強い。
だが、「週刊文春」が取材を進めると、少し異なる状況が浮かび上がってきた。
逮捕されたA子は1998年、長崎県生まれ。上京したのは約5年前である。東京に拠点を置き、港区と新宿区の繁華街を行き来する生活を送っていたという。A子の友人女性が打ち明ける。
「実はA子は今回刺したBと一時期、同棲していたんです」
A子が後に“泥沼”に引き摺り込まれていくきっかけとなったのは、あるアプリだった。
「『toU』という、ホストが勧誘目的でよく使っているイケメン特化型ライブ配信アプリがあるんですが、A子はそれでBと知り合い、交際し始めました。Bはホスト店勤務ですが、A子とは客の関係ではありません。A子はBと付き合って、生活が一変してしまった。服から美容代まで全てを支払う“ヒモ”になってしまったのです」
そして、「A子はBからのDVに悩まされていた」とこの友人女性は証言する。
「BからのDV被害は壮絶でした。今年4月には肋骨を骨折させられ、顔面を8針縫う大怪我を負わされていました。さらに6月と8月に受けたDVでは、尿管と膀胱を損傷しており、入院もしています。本当に身体中がアザだらけでした。そして、A子は大量の睡眠薬を摂取するようになった。オーバードーズになり、精神はどんどん崩壊していきました」
「週刊文春」は、DVを受けたA子の写真を複数入手。そこには、目を逸らしたくなるような惨たらしい傷跡が収められていた。
こうした状況の中、A子は自身の姉やこの女性など複数の友人にBさんについて相談している。しかし、結局、Bさんとは別れられなかった。
「A子はBと共依存状態になってしまっていた。別れては戻ってを何度も繰り返していたのです。あれだけDVを受けていたのに、2人で(アプリの)配信をするなど、異常な状況が続いていました。A子は警察にもDVを相談し、Bには接近禁止命令が出てました。自宅周辺に警察のパトロールを依頼して『会いたくない』とこぼしていたんですが、また連絡して会っちゃう……そういうことを繰り返していた」(同前)
そして、事件が起きる約1週間前の10月30日、A子は別の友人女性に泣きながら電話をかけてきたという。A子は電話をしながら、Bさんのライブ配信を見ていた。
「ありえないから。マジで。普通に許せないから……」
「週刊文春」はこの時の電話のやり取りの音声を入手。必死に宥めようとする友人女性に対し、A子は泣きながら、怒りを露わにしている。
「うざいんだけど、マジで……」「舐めてるやん完全に。こんなにボコボコにされて、2ヶ月入院してたんだよ。4月からさ、ずっと病院生活で。半年病院生活なのに、おかしくない? 半年間も入院生活して、ぶっ壊されて。本当にもう無理。ここまでやられたら、壊れる、マジで」
この男のDVで自分は苦しい思いをしているのに、なぜこの男はのうのうとライブ配信をしているのか--A子はBさんへの憎悪の念を増幅させていく。そして、“復讐“を匂わせるような物騒な台詞を言い放ったのだった。
「なんでこいつ普通に生きてんの。なんでこいつ普通に私があげたもの着て、あげたものをつけてさ、美容代も全部出してさ。全部花持たせてさ。ふざけんなよ、マジで。うざいんだけど、マジで……」
そして、11月5日深夜、A子は歌舞伎町の路上でBさんの急所をめがけてカッターナイフを振り下ろしたのだった。