南海トラフ地震臨時情報で備蓄品購入の動き広がる 各店入荷に全力も「買いだめ控えて」
気象庁の南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」発表から一夜明けた9日、静岡県内のホームセンターなどでは朝から飲料水や食品を買い求める人が相次ぎ、品薄になる様子も見られた。お盆時期は小売店への商品搬入量が一時的に減る場合もあるが、宮崎県を震源とする8日の地震で国内の供給体制に大きな打撃はなかったとみられる。各店は「一人一人が節度のある購入量ならば商品は枯渇しない」とし、冷静な消費行動を促した。
県内外に展開する食品スーパー「フードマーケットマム」の各店は水やカップ麺を購入する客が訪れた。供給体制を強化するため担当部署が商品集めに奔走している。「一時的に欠品が生じるケースはあるが、入荷に向けて全力を挙げる。慌てず買い物をしてほしい」と呼びかけた。
静岡市清水区のカインズ清水店では午前9時半の開店前から約50人が列を作った。2年前に同地域を襲った台風で断水被害にあったという安藤美奈さん(48)は「日ごろ備えているが、災害の怖さを知っているだけに水を買いに来た」。同店は飲料水の購入を1人2点に制限。堀川雅臣店長(43)は「発注量を増やし、求めに応えたい」と語った。
同市駿河区のジャンボエンチョー静岡店で開店待ちした会社員女性(38)は「同居する祖父母たちのためにも」とポリタンクや携帯トイレを購入した。同社広報部は飲食品のほか家具の転倒防止グッズなどの需要が増えているといい、「多くの人に商品が行き渡るよう買いだめは控えて」と呼びかける。
災害時はトイレットペーパーの需要も増加する傾向がある。富士市のトイレ紙製造企業には取引先から「売り上げが急増している」との連絡が入った。10日から物流会社が休みに入るといい、在庫対応する場合はお盆明けになるとした。