子どものADHD治療アプリ、厚労省承認へ…ゲーム形式で不注意改善
厚生労働省の専門家部会は6日、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子ども向けの治療用アプリ「エンデバーライド」について、製造販売の承認を了承した。
スマートフォンやタブレット端末でゲームを操作することで、落ち着きのなさや不注意などの症状を改善する効果が期待できるという。
製造販売を担う塩野義製薬によると、承認されれば、国内初のゲーム形式の治療用アプリになる。
アプリは、米国の医療ベンチャー企業「アキリ」が開発した。画面上のキャラクターは乗り物で水路を進む。障害物を避けて運転する、指定された対象物を触るといった二つの操作を同時に行うことで、思考や理性などに関わる脳の前頭前野の働きを高め、症状の改善につなげる。医師の処方を受け、ダウンロードして使う。
ADHDと診断された国内の6〜17歳の164人を対象に行った臨床試験では、通常治療に加えて1日1回、約25分、このアプリを6週間使用したグループは、通常治療だけのグループよりも不注意の症状の改善がみられた。
アプリは2020年に米食品医薬品局(FDA)が承認し、欧州でも同年、販売に必要な「CEマーク」を取得している。