生成AI悪用し楽天モバイルに不正アクセス、1000件以上の回線入手し転売か…容疑で中高生3人逮捕
携帯大手「楽天モバイル」のシステムに自作プログラムで不正ログインし、通信回線を契約したとして、警視庁が14〜16歳の中高生3人を不正アクセス禁止法違反と電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕したことがわかった。対話型生成AI(人工知能)サービス「チャットGPT」で作業の効率化や処理速度の向上を図っており、SNSで購入した20億件超の情報を基にログインを試み、入手した回線を転売していたという。
未成年者による生成AIを悪用した大規模な不正アクセス事件は、極めて異例だ。
逮捕されたのは、滋賀県米原市の中学3年(15)、岐阜県大垣市の高校1年(16)、東京都立川市の中学3年(14)の男子生徒。調べに、一人の生徒は「2023年12月以降、1000件以上の回線を契約した」などと説明している。
捜査関係者によると、3人はオンラインゲームの仲間で、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」を通じて知り合った人物から、20億件超のIDとパスワードのセットを購入していた。
自作のプログラムはIDとパスワードを機械的に入力し、認証されると楽天モバイルのシステムにログインでき、回線契約まで行う高度なものだった。
プログラムの作成は主に大垣市の高校生が担い、米原市の中学生も一部で関与していた。完成したプログラムは3人で運用しており、警視庁が米原市の中学生のパソコンを解析したところ、多数の不正アクセスに成功した形跡が確認されたという。
3人はこうして入手した通信回線を、テレグラムを通じて複数の人物に不正転売しており、警視庁は計約750万円相当の暗号資産を得ていたとみている。
3人は昨年5〜8月、11人分のIDとパスワードで不正ログインし、計105回線を不正契約した疑いで今月3〜25日に逮捕された。米原市の中学生は調べに対し、「SNSで犯罪を自慢して、周囲から尊敬されたかった」などと供述しているという。
楽天モバイルは、一つの楽天IDで最大15回線まで契約が可能で、3人は一度の不正ログインで複数回線を契約していたとみられる。