不登校の小中学生が過去最多34万人超…コロナ禍で急増し、その後も増え続ける
不登校の小中学生が2023年度は34万6482人に上り、過去最多となったことが31日、文部科学省の問題行動・不登校調査でわかった。前年度比4万7434人(15・9%)増で、初めて30万人を超えた。いじめは、小中高校などが認知した件数は73万2568件で、生命や心身への被害や長期欠席などを含む「重大事態」は1306件と、いずれも過去最多だった。
調査は毎年、国公私立の小中高校と特別支援学校を対象に実施。不登校は病気、経済的理由などを除いて年間30日以上登校していない状況を指す。
学校別にみると、小学生は13万370人(前年度比24・0%増)、中学生は21万6112人(同11・4%増)で、いずれも11年連続で増加した。
小中学生の不登校はコロナ禍の21年度に急増し、その後も増加が続いている。文科省の担当者は「コロナ禍でいったん崩れた生活リズムを立て直すのが難しいことや、無理してまで学校に行かせなくてもよいという意識の広がりがあるのでは」とみる。
小中高校などが認知したいじめの内容は、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句」(58・7%)が最も多かった。
パソコンやスマホなどを使った「ネットいじめ」は、前年度から758件増の2万4678件となり、過去最多だった。ネットいじめは小中高生らへのスマホ普及により増加しているとみられ、SNSで悪口を言われたり、無断で加工した画像を拡散されたりする被害が出ている。
いじめの「重大事態」は1306件(前年度比42・1%増)で、これまでで最も多かった。このうち、490件(37・5%)は深刻な被害が生じるまで学校がいじめとして捉えていなかった。
小中高生の自殺は、前年度から14人減の397人で、過去最多だった20年度の415人から高止まり傾向が続いている。