伝統的酒造り、無形文化遺産に 日本酒や焼酎、ユネスコ登録勧告
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関は、日本酒や本格焼酎などの「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録するよう勧告した。12月2〜7日にパラグアイ・アスンシオンで開かれるユネスコ政府間委員会で正式決定される見通し。登録されれば国内23件目となる。伝統的な酒造りは国内各地に広がっており、輸出拡大や地域活性化への期待が高まりそうだ。
伝統的酒造りは、カビの一種であるこうじ菌を使い、コメなどの原料を発酵させる日本古来の技術。複数の発酵を同じ容器の中で同時に進める世界でも珍しい製法で、各地の風土や気候の知識とも結びつけながら、杜氏や蔵人らが手作業で築き上げてきた。
代々受け継がれた技術で造られる酒には、日本酒や本格焼酎、泡盛のほか、もち米と焼酎を使った本みりん、もろみに木灰を加えて保存性を高めた灰持酒などがある。
政府は2021年、伝統的酒造りを国内の登録無形文化財に選定。22年にユネスコに申請した。国内の無形文化遺産は「和食」や、22年に登録された豊作祈願や厄払いの踊り「風流踊」など22件ある。