東京・歌舞伎町のキャバクラ店で１時間滞在した男性客に２６６万円を要求したとして、都ぼったくり防止条例違反罪に問われた元経営者並木健斗被告（２１）の初公判が１６日、東京地裁であり、「ワインボトルの中身はお茶だった」とする元従業員の証言などが紹介され、悪質な実態の一端が明らかになった。

並木被告は被告人質問で「歌舞伎町で一獲千金を夢見た。最初からぼったくりをするつもりだった」と説明。
昨年１２月にキャバクラ店を始め、月平均約７００万円あった売り上げの全てがぼったくりだったという。

法廷では、被害男性の調書が読み上げられ「６０分４０００円と言われたが、ホステスがすごい勢いで飲み物を頼んだ。交番の前で料金交渉したが帰してもらえず、警察官に『無銭飲食で捕まえて』と頼んでも無理だと言われた」という悲痛な声が紹介された。

さらに「面接で『うちはぼったくりだから稼げるよ』と言われた。ワインボトルの中身はジャスミン茶だった」という元従業員の女性の証言も明かされた。

被告は起訴内容を認め即日結審。
新井紅亜礼裁判官は「非常に悪質」と懲役３月、執行猶予３年（求刑懲役３月）の判決を言い渡した。

判決によると、昨年１２月１４日午前１時〜１１時半、新宿区歌舞伎町の「アスタラビスタ」で男性に２６６万３０００円を要求。
「このままじゃいつまでたっても終わらねえぞ」などと乱暴な言動で取り立てをした。