キャバクラで1時間5000円のはずが1時間半で73万円 請求書にはキャストの女性が134杯注文 名古屋の繁華街でぼったくり急増 被害者が語る手口
「1時間5000円で飲み放題」と声をかけられ、キャバクラ店で実際に請求されたのはなんと73万円。コロナ禍前の賑わいを取り戻してきた名古屋の繁華街で、いま「ぼったくり」が急増しています。被害にあった男性への取材から巧妙な手口がわかりました。
錦3丁目のキャバクラ店の明細書。滞在時間は1時間半ほどで合計金額は66万3000円。男性らはこれに消費税を合わせたおよそ73万円を請求されました。
(30代男性)
「違和感しかなかった。おかしいなと」
男性らが憤るのは明細書の中身。
接客する「キャスト」と呼ばれる女性の名前の横に「正」の字が並びます。これはキャストが飲んだとされる飲み物の数で、あわせて134杯にものぼります。
(30代男性)
「2時間に満たない時間で100杯飲むって…。おかしいですよ。どう考えても」
男性らは5月、他の友人2人と一緒に錦三にくり出すと、客引きの男に「1時間5000円、何でも飲み放題」と声をかけられました。案内されたのはキャバクラ店「ハウル」。ここで男性たちはおよそ73万円を請求されたのです。
「1時間5000円で飲み放題」と言われて、店の飲み放題に含まれているドリンクしか頼んでいないのになぜなのか。ワケを探ると、辿り着いたのは女性キャストが飲む酒、通称「キャストドリンク」と呼ばれるモノでした。
女性キャストに飲み物をねだられた男性らは「一緒に盛り上がりたい」とOKしましたが、このドリンク代が「飲み放題」とは別料金だったのです。
今回請求されたのは、約1時間半でキャストドリンクなんと134杯分。
この店をめぐってはことし4月、従業員の清水竜二容疑者(23)らが錦三で客引きをしていたなどとして逮捕されました。
コロナ禍前の賑わいを取り戻してきた夜の街で、今こうしたぼったくりのトラブルが急増しています。
ことし4月、ぼったくりの料金トラブルをめぐって、錦三の別のキャバクラ店が入るビルの階段で男性客に暴行した疑いで、風俗店店長の赤尾郁哉容疑者と従業員の清水泰樹容疑者が逮捕されました。男性客は、店にいた1時間半で20万円を請求されていました。
警察によりますと、錦を中心とした栄地区では高額料金をめぐるトラブルの相談がことし3月以降急増。これまでに61件寄せられています。これはすでに去年1年間のおよそ3倍です。
ことし1月、「ハウル」で被害にあった別の男性は…。
(50代男性)
「出てきた伝票が66万円でした。青ざめましたね正直。もう酔いが全部吹っ飛んだような感じで」
当時、静岡県に住んでいた男性は友人4人と久しぶりに集まることになりましたが、客引きの女に「ハウル」に連れていかれ、約1時間で66万円を請求されました。
(50代男性)
「この金額はないでしょうと交渉してみたんですけど、もうお前ら楽しんだじゃないかと。その一点張りでした」
清水容疑者らに高圧的な態度をとられ、男性は危険を感じしぶしぶ全額を支払ったといいます。
こうしたぼったくり被害のほとんどが客引きに連れていかれた店で起きていて、警察が注意を呼びかけています。