《ホスト集団暴行死》「肛門に熱したスプーンを当てて…」亡くなった“静岡大ホスト”が受けたあまりにエグい仕打ち
派手なレーザーライトを浴びテキーラのショットを次々と喉に流し込む。立て続けに3杯。思わず口元を手で押さえた後、胸をさすりながら一呼吸置いてさらにもう1杯……。まもなく気絶したように眠るだろう。そんな彼をいつものように凄絶な仕打ちが待っていた。
◆ ◆ ◆
店の代表とホスト6人を逮捕
9月6日、静岡市葵区のホストクラブ『RE:MAKE』(リメイク)の従業員で大学生の太田琢巳さん(23)が命を落とした。
「店舗にほど近い従業員寮から『(太田さんが)息をしていない』と消防に通報がありました。署員が駆けつけると、全裸で浴槽の中に横たわる太田さんの姿があった。司法解剖の結果、死因は気道に液体が入ったことによる窒息死だと判明しています」(社会部記者)
遺体には至る所に生々しい火傷の痕があったという。
「静岡県警は10月25日までに、太田さんに日常的に暴行やわいせつな行為をしていたとして、同店代表海野智哉容疑者(30)らホスト6人を傷害致死や強制わいせつの疑いで逮捕し、捜査を続けています」(同前)
「幼稚で下品なことが好きな連中の集まる店」
事件のあったホストクラブは、「質の悪い店」(近隣の飲食店店員)として有名だった。店内では夜な夜なホストや客が常軌を逸した遊びに興じていたという。以前この店で働いていた元ホストが明かす。
「アルハラがひどいんです。テキーラのショットを何十も並べて、『ゲロ吐きながらでも飲め』と海野らから強いられる。飲めないと、泥酔して裸に剥かれた別のホストの陰部を舐めるように指示されたりする。殴る蹴るの暴力も当たり前でした」
別の元従業員もこう語る。
「酔い潰れると、肛門にマドラーを突っ込まれたり、ライターで熱したスプーンを当てられたりする。のたうち回る様子を見て、客も幹部と一緒になって楽しむんです。幼稚で下品なことが好きな連中の集まる店でした」
「いじられ役としてよくターゲットにされていた」
そうした俗悪さは店の外でもトラブルを招いた。
「昼夜なく酔って騒ぐこの街の迷惑の元です。建物の非常階段で小便したり、性行為をしたり。今年に入って、入居する建物の3階から女性客が少なくとも2回、転落する事故もありました。近くにあるライバル店に『悪口を言われた』と数人で殴り込みに行くなど、警察沙汰を何度も起こしています」(風俗店の黒服男性)
地元では陰で「動物園」と揶揄されるホストクラブの代表が、太田さんの死に強く関与しているとみられる海野容疑者だった。
「店は海野の王国なんです。太田さんに限らず、気分次第でアルハラや卑劣なわいせつ行為の対象は変わる。ただ太田さんは売り上げも少ないし酒が強くなかったので、いじられ役としてよくターゲットにされていた」(前出・元従業員)
現役の静岡大生がなぜホストに
捜査関係者によると、店舗で常習化していた暴行やわいせつ行為がエスカレートした結果、太田さんは死に至ったと見られている。
「去年の6月頃から従業員のコロナ感染を隠すために、ホストの寮生活が始まったそうです。営業時間以外はほぼ監禁状態で、嫌気が差しても逃げるに逃げられなかったのかもしれません」(前出・元ホスト)
現役の静岡大生だった太田さんはなぜこの道に足を踏み入れたのか。大阪府にある太田さんの実家の近隣住民はこう肩を落とす。
「太田さんのお宅は教育熱心で、琢巳君も国立大に進学した賢い子だったのに……。ホストをしていたのは知らなかった。数年前にお母さんが急に亡くなったこともあるし、学費や生活費を自分で稼ごうと頑張っていたのかな」
知人らによると、太田さんは4年生で、今春卒業予定だったが留年していた。だが、大学卒業を諦めていなかったという。
極度の“悪ふざけ”の奪った未来は返ってこない。