藤井聡太7冠が完全優勝、詰め将棋界の“絶対王者”にライバルも言葉失う「怪物」「次元が違う」
将棋の藤井聡太7冠(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=22)が30日、大阪府高槻市で行われた「第22回詰将棋解答選手権チャンピオン戦」に6年ぶりに出場し、6度目の優勝を果たした。
6度の優勝は宮田敦史七段(43)と並ぶ歴代最多記録となった。東京、大阪の2会場にはプロ棋士やアマチュアなど100人が参加し、藤井は唯一の100点満点のパーフェクトで、初参加の同学年のライバル伊藤匠(たくみ)叡王(22)らを寄せ付けなかった。
開始前、藤井は右手に持った消しゴムをペン回しにし、集中力を高めた。詰め将棋を解く速度と正確さを競う大会。同時刻に開始される東京会場には伊藤がいた。「伊藤叡王もそうですけど、他にも強豪の方が参加されていたので、緊張感を持って臨むことができた」。午前の第1ラウンド(R)、午後の第2Rは制限時間は各90分。1問10点、第1、2Rで各5問の100点満点。最大39手で詰む難易度の高い問題に挑戦し、正解した問題数とタイムで順位が決まる。
藤井は第1Rは2つの会場で最速56分で退出し、全問正解の50点満点でトップに立った。より難しい問題がそろう午後の第2Rは65分で退出し、こちらも満点。総計100点満点で2位岩村凛太朗三段に9点差をつけ、完全優勝を飾った。63点で13位となった伊藤はライバルの解く力に「怪物」とうなり、2位の岩村は「次元が違う」と言葉を失った。
詰め将棋界の“絶対王者”は「回数は意識していなかった。久しぶりの出場で不安だったが、思っていた以上に解くことができた」と喜びを語った。来年の出場についても「日程が許す限り、参加をしたい」と意気込んだ。
4月9日からは3連覇を目指す第83期名人戦7番勝負が始まる。大好きな詰め将棋でも「偉業」を成し遂げ、新年度に向かう。【松浦隆司】