ガザ住民9割が食料不足、家族7人で残った水とパン分け合う…戦闘開始から1年半「毎日が地獄」
イスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘が2023年10月に始まってから、7日で1年半となった。イスラエル軍は人質解放に向けてハマスへの圧力を強め、戦闘再開で攻撃を激化させている。パレスチナ自治区ガザの人道状況は悪化の一途をたどり、住民らは「毎日が地獄だ」と悲痛な声を上げている。
イスラエル主要紙ハアレツは6日、同軍がガザ北部ガザ市を攻撃し、9人の子供を含む11人が死亡したと報じた。イスラエルのネットメディア「タイムズ・オブ・イスラエル」によると、同軍はこの数日間でハマスの拠点など約130か所の標的を空爆したという。ガザ保健当局によると、3月の戦闘再開以降の死者数は1335人に上っている。この1年半での死者数は5万人を超えた。
イスラエルは3月2日からガザへの支援物資の搬入を止めている。国連人道問題調整事務所(OCHA)は、用意された8万9000トンの食料が運び込めない状態だとし、ガザの約9割の住民が食料不足に陥っていると指摘している。
ラミ・アブドさん(40)は、最南部ラファを対象とした同軍の避難命令を受け、沿岸部のマワシ地区を目指して移動を始めた。戦闘開始以降、避難は6回目。ガザ全域でパン店が休業となり、家族7人でわずかに残った水とパンを分け合う日々だ。読売通信員に「安全な場所はどこにもない。毎日が生き残りをかけた戦いのようだ」と語った。
戦闘再開後、避難所には多くの人が押し寄せている。北部ジャバリヤからガザ市に避難してきたサミーハ・カファルナさん(55)が確保できたテント用のスペースは、ゴミ捨て場の近く。劣悪な環境に「私たちが経験している苦しみは、悪夢の中でさえ想像できないものだ」と嘆いた。