7月、フェイスブックに公開された安田純平さんとみられる画像（共同）

内戦下のシリアで2015年に行方不明になっていたジャーナリスト安田純平さん（44）とみられる人物が、解放された。
菅義偉官房長官が23日深夜の緊急会見で発表した。

トルコに出国して入管施設にいる模様。菅氏は「諸般の情報を総合すると、安田さんの可能性が高い」と述べた。
シリアの武装組織に拘束されたとみられ、これまで4度、救出を求める映像がインターネットに投稿された。
行方不明から3年4カ月。事件は大きな展開を迎えた。

一報を受け、トルコの日本大使館職員がアンタキヤに向かった。政府高官は「身代金など解放の条件はなかった」と述べた。
政府筋によると具体的な健康情報は不明だが、「意識はしっかりしている」という。
解放には、カタールによる交渉の仲介があったとの見方もある。同国は、シリア反体制派や過激派に一定の影響力を維持している。

安田さんはイラク戦争後のイラクを取材中だった04年4月にも地元の自警団に拘束され、3日後に解放された。
日本政府は今後、拘束中の流れや解放の経緯など情報収集を急ぐ。健康に問題がなければ、安田さんは帰国するとみられる。