警視庁荏原署に入る後藤祐介容疑者＝東京都品川区で

東京都品川区戸越2の住宅で5月、介護福祉士高波冬美さん（37）と子ども3人が死亡しているのが見つかった事件で、警視庁は19日、高波さんを刃物で刺して殺害したとして、殺人の疑いで、高波さんの元夫で住所不定、無職後藤祐介容疑者（46）を逮捕した。子ども3人への殺人容疑でも調べる。

捜査関係者によると、後藤容疑者は任意の調べに「家族4人を殺して、自分も死のうと思った」という趣旨の供述をしていた。刃物で襲った後、住宅に火をつけて自殺を図ったとみられる。後藤容疑者と高波さんは、事件の3日前に調停で離婚が成立していたが、そのまま同居していた。同容疑者は家を出るよう求められていたという。

事件では、高波さん、小学1年の長女後藤鈴さん（6）、保育園児の次女玲ちゃん（3）と長男信ちゃん（2）が死亡した。
逮捕容疑では、5月22日午後〜23日午後、品川区の高波さんの自宅で、高波さんの胸などを包丁で刺して殺害したとされる。容疑を認めている。

警視庁捜査1課によると、5月23日午後1時半ごろ、高波さんの実母らが1階で死亡していた4人を発見した。室内では1階リビングの床などを焼く火災があり、後藤容疑者は煙を吸って搬送されていた。

司法解剖の結果、4人の死因は、それぞれ母親と次女が失血死、長女と長男は一酸化炭素（CO）中毒だった。いずれも胸や首などに切り傷や刺し傷があった。