闇営業のキャバクラはモンスター客だらけ?一気飲みの強要、暴言は当たり前
店で酒類を飲めない人々による「路上飲み」や、東京都の小池百合子知事による夜間消灯での治安悪化が不安視される中で「夜の店の客質も下がりましたよ」と語るのは、水商売の世界に生きる女性達だ。
この1年余りの間、コロナの感染拡大を受けて客質が下がったのにはどのような背景があるのだろうか。各地のキャバクラやスナックで話を聞いてみた。
まず話を聞いたのは関東某所にあるキャバクラに勤務する女性。現在、東京をはじめとした10都道府県に発令されている緊急事態宣言。
女性が働くキャバクラは、都心から比較的アクセスしやすい場所にあるのだが、この3ヵ月余りで客層が急激に悪化したという。
◆特に厄介なのはパリピ系の客
「うちは一応、地元では高級店と知られていて、コロナ感染拡大前は近所に住むサラリーマンが1人で来たり、地元の名士のお客さんが多かったんです。でも、今回の緊急事態宣言で都内で飲めなくなった人が来るようになって、客質がダダ下がりしました。
特に厄介なのは普段は六本木や歌舞伎町で飲んでいるパリピ系の客。お金は遣ってくれるのですが、とにかく飲め飲めで女の子を何人も指名してコールやシャンパン一気の強要は当たり前。
そういう飲み方をする客はあまりいなかったので、女の子がどんどん潰れてしまい営業に支障が出るほど。しかも、口が悪くて飲みを断ると『ブス』とか『使えねーな』という暴言を吐くんです。
ニュースを見る限り、都内のキャバクラは普通に営業しているように見えるので『都内に行かないんですか?』と聞くと『俺、社長だからもしテレビに映ったら世間的にマズイんだよね(笑)』だって。だから何?、知らねえよって思いましたね……」
都内から複数人で飲みに来るパリピ客。騒がしい上に「東京から客が来ている」という噂が広まってしまい、地元の常連客の足は離れていってしまい迷惑この上ない……と女性は言う。
◆高級がウリだった北新地でも…
一方、西日本では高級さが売りだった大阪・北新地の客質がダダ下がりしているという。北新地のスナックを経営するママに話を聞いた。
「コロナ感染拡大前は一見様お断りにしていたのですが、延々に続く時短休業要請で常連客がすっかり来なくなってしまったんです。そこで、一見様OKにしたら客質がすっかり悪くなりました。
最近は早い時間でも酔っ払っているお客さんが多くて、『どこで飲んでいたの?』と聞くと居酒屋が開いていなからコンビニで酒を買って飲みながら来たと言うんです。それも結構、酔っている様子でキャストの子に対して絡んだりと手が付けられない。
前も無理やり女の子に触ろうとして、その子が拒否したらカラオケ用のマイクで女の子の頭を殴ったんですよ。さすがにそれ以降、その客は出入り禁止にしましたが殴られた女の子は相当ショックだったようで店をやめてしまいました。
私としても以前のように常連客のみで営業したいのですが……、今は客質が悪くても我慢するしかないんですかね」
◆夜の街の治安も悪化
そんな中で、「夜の街自体の治安も悪化している」と語るのは、兵庫県にあるスナックのママ。
「兵庫も緊急事態宣言の対象になって、年配の人が出歩かなくなったせいか若者が目立つようになりました。
東京の人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、関西では年配でもイケイケな人が多いので、若者が街中で幅を利かせるようなことがあまりないんです。それが今ではコンビニの前で酒を飲んで騒いだり、ケンカをする若者なんかも見かけるようになりましたね。
今、店は休業しているのですが、たまに掃除に行くとビルの前に酒瓶やつまみのゴミが捨てられていることもしょっちゅう。ビルのゴミ箱に捨てようとしたけれど、鍵がかかっているので放置していったんでしょうね。
今年4月にミナミで20代の2人組がカニ料理屋の看板を破壊した事件があったじゃないですか。あんなの、コロナ前なら絶対にありえないですよ。オッチャン達が周りにいたら、シバかれてると思いますよ(笑)」
酒を飲める場所が制限されてストレスが溜まる分、飲める場所に行ったときに迷惑行為に走る客が増加しているのかもしれない。
こうなると、もはやお客様は神様でもなんでもなくただのモンスターであることは間違いないだろう。