障害者ホーム、監査に虚偽報告 大阪市、虐待も認定
「業界最大手」とうたい、運営していた障害者向けグループホーム(GH)で文書の捏造が明らかになった旧「アニスピホールディングス」(東京、現在は2社に分割)が昨年、大阪市の監査に対し虚偽の報告をしていたことが5日、市への取材で分かった。
同社が大阪市で運営していたGHでは、入居者の食費の過大徴収やトコジラミの発生が判明しており、市は今年3月下旬、それぞれについて経済的、身体的虐待と認定。過大徴収分を入居者に返還するよう行政指導した。
市によると、昨年8~12月にGH「わおんなにわ」に監査を実施。その中で同社の直営事業部長は入居者数を実際よりも少なく報告したり、食費の精算回数について虚偽の回答をしたりした。
旧アニスピ社運営のGHを引き継いだ「SCJ」(東京)は今年2月、共同通信の取材に対し「食費の徴収額と実費で差額が生じたもので『過大徴収』とは考えていない」と回答していた。
だが、市の監査では食費の実費は算出されておらず、過大徴収分は会社の売り上げとして計上されていた。