人類滅亡へ「100秒」 終末時計、誤情報も脅威に
米誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は20日、人類への脅威を分析し、滅亡を午前0時に見立てた「終末時計」の残り時間を「100秒」と発表した。
1947年の創設以来の最短時間を3年続けて維持。核兵器の高度化や気候変動の進展に加え、米大統領選を巡る陰謀論などインターネットでの誤情報拡散もリスクに挙げ「世界は昨年より安全になってはいない」とした。
終末時計はノーベル賞受賞者ら科学や安全保障の専門家が世界情勢に基づき、人類滅亡までの残り時間を比喩的に決め、毎年発表している。
今回は、昨年のバイデン米政権発足後にロシアとの新戦略兵器削減条約(START)が延長され、米国が温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に復帰したことなどを明るい動きと評価。
一方で、米ロや中国の極超音速ミサイル開発や北朝鮮の核開発に加え、各国の温暖化対策の不十分さなどを懸念材料とした。
また、ネット上の誤情報により、2020年の米大統領選結果の正統性や新型コロナウイルス対策への疑念が広がったことで社会の分断が深まっていると指摘。
各国リーダーや市民に対し、解決に向けた協調を呼び掛けた。