男性の遺体が見つかった東京・池袋のホテル周辺　Photo By 共同

21日夜、東京都豊島区池袋のホテルの客室で、さいたま市南区の職業不詳今野勝蔵さん（82）の遺体が見つかった。血を流しており、胸と右脚に刺し傷があった。
警視庁は池袋署に捜査本部を設置。今野さんを殺害したとして22日、殺人容疑で住所、職業不詳藤井遥容疑者（24）を逮捕した。

逮捕容疑は21日夜、ホテルで今野さんの胸や脚を刃物で刺して殺害した疑い。藤井容疑者のかばんの中から血が付いたカッターナイフが見つかった。凶器とみられる。
捜査本部によると「ホテル内でトラブルになり、かっとなって刺した」と供述している。

捜査本部は藤井容疑者を豊島区から八王子市まで逃走させたとして、犯人隠避の疑いで住所、職業不詳小林優介容疑者（29）と弟の職業不詳翔太容疑者（25）も逮捕。藤井容疑者は優介容疑者の元交際相手だという。

捜査関係者などによると、3人が事件後にホテル付近で一緒に行動する姿が防犯カメラに写っていた。3人は八王子市内で身柄を確保された。

今野さんは脚の傷が致命傷になったとみられる。ベッド横の椅子に、のけ反ったような状態で腰掛け、服を着ていなかった。財布から現金が見つかっておらず、携帯電話も見つかっていない。藤井容疑者とみられる女が21日午後8時10分ごろに今野さんと一緒にチェックインし、約1時間後に退室していた。

同日午後9時45分ごろ、公衆電話から女性の声で「『やばいから来て』と友達からLINE（ライン）があった」と110番があった。
ホテルの部屋番号も伝えてきたという。捜査本部は藤井容疑者が第三者を装って電話したとみている。

現場はJR池袋駅の北西約500メートルのビルやホテルが立ち並ぶ一角。