警視庁

全地球測位システム（ＧＰＳ）機器を悪用し、知人女性の居場所を調べたとして、警視庁巣鴨署は２４日、千葉県四街道市、会社員の男（６１）をストーカー規制法違反（位置情報無承諾取得など）容疑で逮捕した。

ストーカー事件では近年、ＧＰＳの悪用が相次いでいる。警察は同法の「見張り」に当たるとして摘発してきたが、２０２０年に最高裁が見張りには当たらないとの判断を示したため、昨年の法改正で新たに規制対象に加えられた。改正法の適用は警視庁では初めて。

捜査関係者によると、男は２月２７日、知人の２０歳代女性のリュックサックにＧＰＳ機器を入れ、３月３日にかけて約７０回にわたって位置情報を無断で取得した疑い。
調べに「ＧＰＳ機器が女性のバッグに偶然入ってしまった」と容疑を否認している。

男は数年前に趣味の撮影を通じて女性と知り合い、一方的に好意を寄せて交際を迫っていたという。
機器をリュックに入れた当日は撮影を口実に女性宅を車で訪れており、警視庁は女性が目を離した隙に機器をリュックの中に入れたとみている。

使われたＧＰＳ機器は市販品で、位置情報を即時にパソコンや携帯端末で確認できるものだった。
被害女性が３月上旬、リュックの中に身に覚えのない機器があることに気づき、警視庁に相談していた。