「リアリティー番組」人気の影で、世界で出演者40人以上死亡 国内外で社会問題化 各局の対応は?
構造上、出演者らに大きな心理的負担を強いるなど負の側面が指摘される「リアリティー番組」。
木村花さんの母響子さん側の代理人弁護士によると、昨年までに欧米を中心に40人以上の出演者が自殺したといい、国内外で対策が急がれている。
テラスハウスを巡り、放送倫理・番組向上機構(BPO)は昨年3月、出演者の精神的な健康状態に対する配慮が欠け「放送倫理上の問題があった」と判断。
一方、花さんへの一定のケア対応があった上で放送が判断されたとして「人権侵害があったとまでは断定できない」と結論付けた。
フジテレビは同月、SNS上のトラブルに対応する部門を設置した。
他局でも取り組みが進み、恋愛リアリティー番組2本を制作、配信しているTBSは「出演者のメンタル面についてカウンセラーがケアを行い、SNS上の問題についても専門家がチェックするなどしている」と話す。
日本テレビは社内研修を実施し、「誹謗中傷が起きた場合、関係部署が連携し迅速に対応するようにしている」と説明。
テレビ朝日は現在、リアリティー番組を制作していないが、番組全般で「収録時のみならず収録後や放送後も出演者のケアに配慮するよう周知徹底している」としている。
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フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演したプロレスラー木村花さん=当時(22)=が2020年、交流サイト(SNS)で誹謗中傷を受けた後に自殺した問題で、出演者の心身の健康に配慮する義務を怠ったとして、母響子さん(45)が6日、フジテレビと制作会社2社に計1億4200万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。