絶対王者のKO劇に4万3000人熱狂、井上尚弥「東京ドームの景色で浮足立った」
東京ドーム(東京都文京区)では34年ぶりとなるボクシングの世界戦4試合が6日に行われた。メインイベントでは、世界4団体スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥選手(31)(大橋)が、世界ボクシング評議会(WBC)同級1位のルイス・ネリ選手(29)(メキシコ)を6回TKOで下し、王座防衛に成功。4万3000人と発表された観衆は、迫力のあるパンチの応酬に大歓声を送った。
東京ドームでのボクシング興行は、1988年と90年に世界ヘビー級統一王者だったマイク・タイソン選手(米国)の防衛戦が行われて以来で3度目。タイソン選手が90年にジェームス・ダグラス選手(米国)に敗れた一戦は「世紀の番狂わせ」と呼ばれる歴史的な試合だった。
井上尚選手は、1回にネリ選手のパンチを受け、プロ初のダウンを喫したが、2回以降に計3度のダウンを奪って快勝した。日本男子最多記録を更新する世界戦22連勝となり、世界戦通算勝利数22も、井岡一翔選手(35)(志成)が持つ最多記録に並んだ。
井上尚選手は試合後、「ドームの景色を見て、浮足立つ感じだったのかな」と振り返った。それでも、日本のボクシング界にとって大きな意味を持つ一戦で勝利を収め「プレッシャーがあったが、皆さんの力が僕のパワーになりました」とファンの応援に感謝した。