安倍晋三首相は２４日午前、衆院予算委員会の閉会中審査で、友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画に関し、加計側から働き掛けや依頼はなかったと説明し、自身も便宜を図ったことはないと強調した。

同時に「私の友人に関わることで、疑念の目が向けられるのはもっともだ。今までの答弁ではその観点が欠けていた。足らざる点があったことは認めなければならない」と釈明した。

民進党は事業者の選定が「加計ありきだった」と政権を追及する。南スーダン国連平和維持活動（ＰＫＯ）部隊の日報隠蔽への関与や、自衛隊の政治利用と受け取られる発言で批判を浴びた稲田朋美防衛相の資質も問う。

加計問題で官邸が不当に関与したと指摘する前川喜平前文部科学事務次官や、前川氏が「キーパーソン」と呼ぶ和泉洋人首相補佐官らが参考人として出席。
前川氏は和泉氏から昨年「総理は自分の口から言えないから自分が言う」と獣医学部新設で対応を促されたと重ねて証言し、この内容を当日中に文科省高等教育局専門教育課に伝えたと明らかにした。
和泉氏は「言っていない」と自身の発言を否定した。

最初に質問に立った自民党の小野寺五典氏は、加計問題を巡って便宜を図るよう指示したことがあるかただし、首相は「指示したことは全くない」と否定した。
同時に「（加計側からの）働き掛けや依頼は全くなかった」と述べた。

公明党の上田勇氏は特区制度による学部新設手続きの公正性を質問。
民進党の大串博志氏は加計問題のほか、日報隠蔽を取り上げ、稲田氏は閣僚の資質に欠けると強調。
今井雅人氏は、学校法人「森友学園」への国有地売却問題に対する政権の姿勢をただす。

午後は民進党のほか共産党、日本維新の会が質問に立つ。
参考人として出席予定だった日本獣医師会幹部は「都合がつかない」として欠席した。２５日には参院予算委も閉会中審査を実施する。