秀吉が築き家康が壊した「幻の城」石垣を初公開
静岡市葵区の駿府城跡で20日、豊臣秀吉が家臣に命じて築かせた天守台の石垣が一般公開され、2220人の歴史ファンでにぎわった。
天守台の石垣は、天下統一を果たした秀吉によって徳川家康が駿府から江戸に移された後、秀吉の家臣の中村一氏かずうじが築き直した城の跡だ。
周辺からは、豊臣時代の権威の象徴だった約330点の金箔きんぱく瓦も見つかった。
いずれも家康が再び駿府に戻った際、壊して埋めたとみられ、存在が確認されない「幻の城」と呼ばれていたが、静岡市の発掘調査で見つかった。
駿府城は家康が築き、晩年を過ごしたことで知られる。
その合間に、駿府城が秀吉方の手に渡っていたことを明らかにした今回の発見は、駿府城が家康と秀吉のつばぜり合いの舞台だったことを示している。
この日は、16日の調査結果発表後、初めての公開となり、見学開始の午前9時には約70人が列を作った。参加者は担当者の説明を聞きながら、写真を撮るなどしていた。
公開は21日も午前9時〜午後4時に行われる。入場無料で、事前申し込みも不要。市は両日で約4000人の入場を見込んでいる。
金箔瓦の公開は11月22日から。