ゲリラ豪雨はもう異常気象じゃない
「これまでに経験したことのないような大雨」は、気象庁が昨年6月から運用を始めた「記録的な大雨に関する情報」で、簡潔に警戒、避難を呼びかけるための表現である。
同年7月の九州北部の豪雨で初めて使われたが、1年でまた耳にするとは。
異常気象が常態化しているのだろうか。
山口、島根両県を襲った豪雨は凄まじかった。萩市では1時間に138・5ミリ。
気象庁の雨の降り方の分類では「ザーザー」で時間雨量が10ミリ以上20ミリ未満、「バケツをひっくり返したよう」でも50ミリ未満である。
50ミリ以上の「ゴーゴーと滝のように」も及ばないとなると、やはり「経験したことのない」しかない。
7月下旬は例年、大雨が降りやすい。梅雨が明けてもまだ夏の気圧配置が安定しないからだ。
水害は秋の台風シーズンだけではない。
気象庁は8月末からの特別警報に先がけて「直ちに命を守る行動を」と呼びかけた。
予報の進歩を生かすのは、一にも二にも日ごろの備えだ。