青酸連続死、筧千佐子被告に2審も死刑判決
京都、大阪、兵庫3府県で起きた青酸化合物による連続変死事件で、夫と元交際相手計4人への殺人罪などに問われた筧千佐子被告(72)の控訴審判決で、大阪高裁(樋口裕晃裁判長)は24日、求刑通り死刑とした1審・京都地裁の裁判員裁判判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。
1審判決によると、筧被告は2012〜13年、夫と交際相手の計3人(死亡時71〜75歳)に青酸化合物を飲ませて殺害。
07年には交際相手の男性(09年5月の死亡時79歳)に青酸化合物を飲ませて殺害しようとした。
弁護側は「被告は犯人ではない」と無罪を主張したが、17年11月の1審判決は、被告が入手困難な青酸化合物を所持していたことなどから「被告による連続毒殺事件」と指摘。
被告は認知症で、訴訟能力の有無も争点だったが、「症状は軽く、訴訟能力に問題はない」と判断していた。
3月の控訴審初公判で、弁護側は改めて無罪を訴え、認知症の進行を理由に精神鑑定の実施などを求めたが、樋口裁判長は認めなかった。