高年齢化進む中高年の引きこもり「8050問題」浮き彫り
川崎市の児童ら殺傷事件で浮き彫りになったのが「8050問題」だ。
親が80代、本人が50代で、収入は親の年金に頼っているため生活が困窮するケースが社会問題化している。
内閣府は今年3月、40〜64歳の中高年の“引きこもり”が61万3000人に上るとの推計結果を公表。
人数は若年層(15〜39歳、2015年調査)の約54万人を上回り、長期化、高年齢化が進んでいることがうかがえる。
国は15年施行の生活困窮者自立支援法に基づき生活や就労準備などの支援も行っているが、高齢の親の介護や病気をきっかけに、ヘルパーらが自宅を訪問することで、初めて引きこもりの子供と暮らしていることが発覚するケースが増加している。
岩崎容疑者は同居していたのが両親ではないものの、おじ夫婦に収入面で依存しており、構図的には8050問題と重なる。
社会評論家の小沢遼子さんは「頼りのおじ夫婦が介護ヘルパーを頼んだことで現在の平穏な日が続かないことを急に自覚したのではないか」と指摘。
自暴自棄になり、社会に復讐しようとした可能性があるとの見解を示した。