福原愛「やるべき使命は果たせた」若手育ち引退決断
卓球女子でオリンピック(五輪)に4大会連続で出場した福原愛(29=ANA)が21日、自身のブログで現役引退を発表した。
「愛ちゃん」の愛称で親しまれ、長年日本の卓球界をけん引。
16年リオデジャネイロ五輪団体銅メダルを獲得後、休養に入り、結婚、出産を経験した。
復帰も含め、今後を模索してきたが、若手が育ってきたこともあり、ついに競技の第一線から退く決断をした。
自身のブログで「最近ようやく自分の中で答えが見つかりました。私は選手としての立場を、ここで一区切りつけることを決意しました」とつづり、3歳からスタートした26年間の卓球人生に別れを告げた。
翻意させたのは、若手の台頭だった。石川佳純(全農)はもちろん、「黄金世代」といわれる伊藤美誠(スターツ)、平野美宇、早田ひな(ともに日本生命)ら次世代の選手が急成長。
5月の世界選手権団体戦では、ライバル中国にあと1歩と迫る銀メダルを獲得するまでになった。
福原は「知らない内に私自身で勝手に感じていた肩の重みが、すっと抜けるような感覚があり、私が選手としてできることはやり切った、頑張り抜いた、という思いが強くなり、自分が選手としての立場でやるべき使命は果たせたかな、と感じるようになりました」と決断した理由を明かした。
3歳から始まった卓球人生は、そのまま日本卓球界の歩みでもあった。
10歳でプロ宣言し、11歳で日本代表入り。中国超級リーグにも参戦した。
五輪には4度出場し、日本卓球界初のメダルとなった12年ロンドン五輪団体戦銀メダルを含め、2つのメダルを獲得。もう思い残すことはなかった。
今後について「選手とは別な立場で、これまで支え続けてくれた皆様に、卓球を通して恩返しをしていきたいです」。
「愛ちゃん」が感謝を胸に、第2の人生に歩を進める。