テルアビブ空港乱射事件から50年 実行役でレバノンに政治亡命中の岡本公三容疑者が記念集会に参加
日本赤軍が中東イスラエルで起こしたテルアビブ空港乱射事件から30日で50年を迎え、レバノンの首都ベイルートで同日あった記念集会に、実行役の一人でレバノンに政治亡命中の岡本公三容疑者(74)=殺人容疑で国際手配=が参加した。同容疑者が公の場に姿を見せるのは異例。
岡本容疑者は現在、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)の保護下で生活している。
関係者に支えられながら会場に到着し、支援者からの拍手や声援に、笑顔を見せる場面もあった。
事件で死亡した日本赤軍メンバーらの墓に花輪を供えたが、同容疑者からの発言はなく、報道陣の呼び掛けにも反応はなかった。
PFLPによると、イスラエルで服役中に受けた拷問で精神疾患の症状があるという。
集会では28日に出所した重信房子元最高幹部(76)についての発言もあり、PFLP幹部アブ・ジャバ氏(68)は「パレスチナを支援して戦った英雄で、先日出所した房子さんに敬意を表する」と述べた。
テルアビブ空港乱射事件
1972年5月30日、イスラエルのロッド(現ベングリオン)空港で、岡本公三容疑者ら日本赤軍メンバー3人が旅行客らに自動小銃を乱射し、24人が死亡、70人以上が負傷した。
2人は自爆死し、岡本容疑者はイスラエル当局に逮捕され、終身刑が確定。85年に捕虜交換で解放され、再び日本赤軍に合流。その後、レバノン当局に不法入国などで逮捕され、服役後の2000年に政治亡命した。