都に3億8000万円賠償命令 高校プール事故巡り―東京地裁
東京都立高校で2016年、水泳の授業中に危険な飛び込みをさせられ重傷を負ったとして、元生徒の男性(25)らが都に約4億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であり、片野正樹裁判長は約3億8000万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は16年7月、プールで飛び込みの練習中、教諭の指導に従って飛び込んだ。その際、プールの底に頭を打ち、重度の四肢まひなどの障害が残った。
都は不適切な指導があったことは争わない一方、賠償額については既に給付が決定した障害見舞金分を控除すべきだなどと主張。これに対し片野裁判長は、男性が事故原因などの納得できる説明がないことを理由に障害見舞金の受け取りを拒んでいるとして、控除を認めなかった。
男性は判決後、「教諭からはいまだに直接謝罪がなく、判決が出ても許すことはできない」とのコメントを発表。都教育委員会の浜佳葉子教育長は「不適切指導で重大な障害を負わせたことをおわびする。事故を二度と発生させないよう取り組む」との談話を出した。