米下院がウクライナ支援法案可決、約9兆4000億円 いま背を向ければ「壊滅的な結果」
ウクライナの国旗を振って歓声を上げる議員らの姿がみられた。米下院は20日、ウクライナなどへの安全保障支援を目的とした950億ドル(約14兆7000億円)規模の法案を可決した。
共和党の強硬派の反対を押し切って可決されたこの法案は、ウクライナ、イスラエル、台湾への安全保障支援を提供するもの。民主党が多数を占める上院は2カ月前にも同様の法案を可決している。来週にもこの法案を可決し、バイデン大統領の署名を経て成立する運び。
ゼレンスキー大統領は、ジョンソン米下院議長に謝意を表明。ウクライナにはこのうち608億ドル(約9兆4000億円)が割り当てられる。ゼレンスキー氏は、米国の支援は人命を守り、ロシアのプーチン大統領が必ず敗北するこの戦争に正しい終結をもたらすと述べた。
共和党のジョンソン議長は「わが国の主要な敵対国であるロシア、イラン、中国の3カ国は互いに協調し、世界で侵略行為を続けている。(中略)いま背を向ければ、壊滅的な結果を招きかねない。だから今日の午後、下院は行動を起こした」と述べた。
ロシアのペスコフ報道官は、今回の措置はウクライナを「さらに破滅させ」、紛争での死者を増やすことになると述べた。