ペルー国籍男性が入管職員に拘束され「骨折」 賠償求めた裁判で勝訴 国に11万円賠償命じる 大阪地裁
大阪出入国在留管理局に収容されていたペルー国籍の男性が、職員に押さえつけられるなどし骨折したと訴え、国に対し損害賠償を求めていた裁判で、大阪地裁は16日、男性の訴えを一部認め、国に賠償として11万円を支払うよう命じました。
ペルー国籍のブルゴス・フジイさんは2017年、不法滞在で大阪出入国在留管理局に収容されていました。
その際、食事に対する不満を訴えたところ、複数の職員に押さえつけられたうえ、後ろ手で手錠をかけられたまま14時間以上にわたり拘束されたということです。
フジイさんはその後、腕を骨折していたことが分かり、「違法な公権力の行使だ」などと訴え、国に賠償を求めていました。フジイさんは裁判の途中に病死したため、内縁の妻が裁判を引き継いでいました。
裁判では、フジイさん側が求めていた施設内の監視カメラの映像が証拠として採用・公開され、当時の詳しい状況が明らかになっていました。
16日の判決で大阪地裁は、骨折については因果関係を認定しなかったものの、手錠使用が違法だった点については認めました。
大阪出入国在留管理局は判決を受けて「判決の内容を精査し、上級庁である出入国在留管理庁および関係機関等と今後の対応について協議していきます」とコメントを出しました。