30万の子犬、来た日に衰弱死…ペット通販苦情
犬や猫のインターネット販売を巡るトラブルが相次いでいる。
「購入後すぐ死んだ」「代金を払ったのに届かない」といった苦情は、国民生活センターが統計を取り始めた2006年度以降、昨年度までに約960件に上る。
国は年内にも動物愛護法を改正し、対面販売の義務化を盛り込む方向で検討している。
ネット販売では、業者のサイトに掲載された写真から客が好きなペットを選び、メールで注文するのが一般的。
一度に多種類から選べ、価格も店頭販売より1〜2割程度安い場合が多く、人気を集めている。
国民生活センターによると、ペットのネット販売に関する相談は、熊本県内の特定業者への苦情が相次いで急増した09年度を除き、年間150件前後で推移。昨年度は164件(速報値)だった。
ペットが感染症にかかっていることが多く、神奈川県の20歳代女性が30万円で購入、空輸で送られてきた子犬は、空港で引き取った日に体調を崩し、衰弱死した。
代金をだまし取られる被害も相次いでおり、同センターは「ネット業者は連絡がとりにくくトラブル解決が難しい」と指摘する。
環境省の調査でも、ネット販売などでは2割以上でトラブルが発生。
購入されたペットの1割強は、健康状態が悪かったという。
こうした事態を受け、同省の諮問機関は昨年12月、ネット販売について、業者に対し、事前に購入者とペットとの対面を義務化するよう提言。
今月中にも、法改正の骨子案がまとまる見通しだ。
2012年4月18日 8時24分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120417-OYT1T00491.htm