カピバラ国内最多飼育数のとくしま動物園、専用施設整備へ…「群れの迫力ある様子を日本で唯一見られる場所に」
日本一の飼育数となる88匹がいるカピバラをPRしようと、とくしま動物園(徳島市渋野町)は、カピバラ専用の施設整備に乗り出す。同園ではスペース不足で現在約30匹の公開になっているが、新しい施設では全てを見られるようにする。早ければ3年以内の完成を目指している。(山根彩花)
カピバラはテンジクネズミ科で、主に南米に生息し暖かい気候を好む。平均で6〜7年程度、生きるという。公益社団法人「日本動物園水族館協会」による昨年末のまとめでは、2位の静岡県・伊豆アニマルキングダムの39匹(現在は45匹)を上回って最多だった。
とくしま動物園は2007年にカピバラ3匹の飼育を開始。1回の出産で複数匹が生まれ、飼育スペースも十分だったため、繁殖が進んだ。9月1日時点で88匹が園内で暮らす。このうちカピバラ約30匹はサバンナエリアにおり、シマウマやオリックスとともに展示。残りは園内のバックヤードで飼育している。
数年前、キリンが来園して同エリアに展示されることが決まったのを機に、カピバラ専用施設の整備を考え始めた。徳島市などが昨年開いた子ども議会で、議員役の小学生から「カピバラを生かした動物園にしたらどうか」との意見が出たことも後押しとなり、9月の一般会計補正予算案に設計費など約300万円が計上された。
現在の候補地はフラミンゴがいる施設を除いたピクニック広場の約300平方メートル。今後は地盤の調査や施設内容の検討を進め、基本設計にかかる。同園は屋外の施設を想定し、愛らしい姿だけでなく、群れで役割分担をして子育てをしたり、雌を巡って雄が争ったりする野生に近い様子を間近で見られるようにする。
同園の鎌田敏秀次長は「カピバラの群れの迫力ある様子を日本で唯一見られる場所になると思う。動物園の新たな目玉として県内外にPRしたい」と話している。