「アザラシと泊まれる」波紋の動物園、改善方針を発表 一方で「事実と異なる内容の流布や迷惑行為」とも主張
アザラシなどを見ながら泊まれるコテージがSNSで波紋を広げた札幌市内の動物体験型テーマパーク「ノースサファリサッポロ」をめぐり、営業許可の取り消しと動物保護を求める署名活動が発足した。
動物園公式サイトおよび公式Xは2024年11月20日、「改善すべき点は見直していく」などとする声明を発表した。
動物園をめぐっては、ガラス越しにアザラシと泊まることができるコテージについて、動物虐待ではないかと批判が相次ぐ事態になった。同園には、アザラシのほかライオンやペンギンなどとも宿泊できるコテージがあるという。
札幌市保健所の動物愛護管理センターは7日、J-CASTニュースの取材に対し、ノースサファリサッポロで6日に立ち入り検査をしたことを明らかにした。
ノースサファリサッポロに対しては、これまでにも相談があり、その都度、検査を行っていたという。もし動物愛護法違反が見つかった場合は、指導することになるとした。
ノースサファリサッポロを運営するサクセス観光(札幌市)の動物プロダクション部は7日、取材に対し、動物愛護管理センターの立ち入り検査が6日にあったことを認め、「検査では、コテージが法的に問題はないと言われました」と説明していた。
捕食関係にある動物を一緒に展示、猛禽類をくくり付け......
SNSでは、捕食関係にある「ハイエナとシマウマとサーバルとキリンを一緒に展示」していた、フクロウやワシなどの猛禽類が「猛禽が止まり木にくくられていた 一歩も動けない(状態)」などと、他の動物の展示についても疑問の声が上がっている。
こうした中、オンライン署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)Japan」では、19日より「動物愛護法を守り、動物たちを適切に保護することを求めるオンライン署名」がスタートした。
署名サイトでは、「自然の生活環境とは大きく異なる状況で、多くの動物が長年にわたり飼育・展示され、今この瞬間も肉体的・精神的にダメージを受けています」と訴え、「これ以上の動物の犠牲を防ぐべく、札幌市および政府に対してノースサファリサッポロの営業許可取り消しと動物の保護に取り組むよう、強く要求します」としている。
「不快に思う方がいらっしゃること自体が私どもの本意ではございません」
動物園は20日、公式サイトおよび公式Xを通じて「エンリッチメント(動物の生活を豊かにし、自然な行動を引き出すための環境づくり。)にリニューアルします」との声明を発表した。
SNS投稿をきっかけに動物の展示や飼育に関する意見・問合せが増えているといい、「頂戴した様々な貴重なご意見について真摯に受け止め、改善すべき点は見直していく所存です」。
「私どもは健康な動物たちの姿をお見せすることでお客様に楽しんでいただくことを大切に考えております。不快に思う方がいらっしゃること自体が私どもの本意ではございません。早速、改善計画を策定し、今冬から随時着手して参ります」
一方で、「尚、事実と異なる内容の流布や迷惑行為があり、大変心苦しく思っております」とし、「目に余るものについては関係機関と相談し対応して参ります」としている。
リニューアルの意向を示した動物園には、「動物を扱う施設として基本に立ち返り、人間との距離を置くことを考えてでも動物のためになるような変化を願っています」「今の世の中だからこそ動物福祉にスライドする事は園にとっても+になるでしょう 改善頑張ってください」などとする声が寄せられている。