韓国法務省、尹大統領に「出国禁止」命じる 現職大統領への措置は初
韓国の尹錫悦大統領が先週、一時、非常戒厳を宣言した問題で、内乱罪での捜査が始められている尹大統領について出国禁止が命じられました。
捜査当局からの申請を受け、韓国の法務省が尹大統領の出国禁止の措置をとりました。
韓国では複数の捜査機関が大統領を内乱の疑いで捜査する方針を示しています。こうした中、検察などが9日、出国禁止を申請し、これを受けて法務省が出国禁止の措置をとったものです。韓国メディアによりますと、韓国で現職の大統領が出国禁止の措置になるのは尹大統領が初めてです。
一方、尹大統領の早期退陣に向けても動きが進んでいます。
与党代表は8日、「秩序ある大統領の早期退陣で、自由民主主義を立て直す」と強調し、大統領の退陣を与党として主導していく意向を示しています。
9日も与党は緊急の議員総会を開いていて、早期退陣の具体案について協議しているものとみられています。
その方法としていくつか指摘されていますが、有力視される案の一つが「責任首相制」です。大統領が自らが持つ権限を、「命じるような形で」、首相に譲り渡す方法です。そしてもう一つは「挙国一致内閣」で、こちらは野党を含めたいわば大連立による内閣を組む案です。
ただ、このいずれの案でも、尹大統領が大統領職にいるかぎり、国政を動かすにあたり、最終的に大統領の決裁が必要になるので、野党の理解が得られるかは不透明と言わざるを得ません。
むしろ野党としては、法の下で大統領を罷免に追い込む、弾劾を求めていく方針は変えていなく、今週末にも再び弾劾訴追案の採決を行うことを目指しています。