米がフーシ派空爆継続、53人死亡 イランに支援中止訴え
ルビオ米国務長官は16日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海やアデン湾で商船を攻撃する能力を失うまで、米軍が空爆を続けると表明した。15日の空爆は「イランに対するメッセージだ」とも述べ、イランにフーシ派への支援をやめるよう訴えた。
CBSテレビのインタビューで語った。フーシ派によると、53人が死亡、98人が負傷した。
一方、フーシ派の報道官は16日の声明で「紅海やアラビア海にいる全ての米軍艦をちゅうちょなく標的にする」と報復を宣言した。パレスチナ自治区ガザへの人道支援物資の搬入が再開されるまで「イスラエルへの海上封鎖を継続する」とも強調し、イスラエル船を再び攻撃する考えを改めて示した。
報道官は報復として、紅海で弾道ミサイルや巡航ミサイル、無人機により、米空母を狙った軍事作戦を行ったとも主張した。米当局者はロイター通信に攻撃を否定した。
紅海では船舶が航路の迂回を強いられ、貨物運賃が上昇するなど物流に影響が出ている。ルビオ氏はフーシ派の脅威は世界全体の問題だと批判し、空爆により「フーシ派が国際海運を支配する能力を奪う」と説明した。
ヘグセス米国防長官は16日のFOXニュースで空爆について「航行の自由と抑止力の回復」が目的だと指摘し、フーシ派が商船への攻撃をやめると宣言するまで「容赦なく続ける」と警告した。
ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も16日、FOXのインタビューで、イランの核開発計画を阻止するため「あらゆる選択肢を検討している」と述べ、イスラエル軍と協力してイラン核施設を空爆する案を否定しなかった。