挑戦の1年、集大成へ 4連覇懸かる坂本―世界フィギュア
26日に米ボストンで開幕するフィギュアスケートの世界選手権に、女子の坂本花織(シスメックス)は4連覇を懸けて臨む。今季の集大成として位置付けられ、来年2月のミラノ・コルティナ五輪における日本の出場枠も懸かる大事な舞台。「しっかり責任を果たして、内容も今季一にできたら」と、エースとしての気概を示す。
今季は翌シーズンの五輪を見据え、挑戦的な演目や構成を試した。ショートプログラム(SP)は息つく暇もないほど多彩な動きをちりばめ、フリーはジャンプの構成を以前から変更。ダブルアクセル(2回転半ジャンプ)から始まる3連続ジャンプなども取り入れた。当初はペース配分などに苦労したが、「試合ごとに自信を持ってできるようになってきた」。
世界選手権前の最後の実戦となった2月の冬季アジア大会は、フリーでミスを連発して2位どまり。大会後は「スケートにかける時間を今まで以上に費やしている」と言い切るほど、じっくり練習を重ねてきた。
向かうところ敵なしだった昨季とは違い、グランプリ(GP)ファイナルを制したアンバー・グレン(米国)らが好敵手として台頭し、迎える今大会。4連覇となれば1956〜60年に5連覇したキャロル・へイス・ジェンキンス(米国)以来の快挙となる。昨年12月に全日本選手権を制した直後の坂本はその偉業達成を意識しないと語っていたが、心境に変化が出てきた様子。「前の自分に勝っていこうという気持ちでやらないと駄目だと気付いた。4連覇を目指して強い気持ちでいきたい」と力を込めた。