リーリーとシンシン、9月末に中国へ 上野のパンダ シャンシャン、双子の両親 高血圧の治療のため
東京都は30日、上野動物園(台東区)のジャイアントパンダ、リーリーとシンシンを9月29日に中国に返還すると発表した。
2011年に中国から貸与されて以降、2頭の間には17年にシャンシャン、21年に双子のレイレイとシャオシャオの3頭の子どもが生まれた。
リーリーとシンシンはいずれも19歳。昨年9月から、高血圧の症状が見られていた。
小池百合子知事は30日の定例記者会見で、「日中双方の専門家で協議した結果、現在の健康状態にあるうちに帰国をさせ、生まれ育った場所で治療を受けさせることが望ましいという結論に至った」と説明した。
小池知事は「寂しい気持ちを抱く方もいると思うが、これまで13年間にわたって皆さんに愛されたリーリー、シンシンの健康を第一に考えると、温かく見送っていただくのがよいと考えます」と語った。
2頭は2005年に中国で生まれ、11年に上野動物園に貸与された。貸与の期限は26年2月20日までだった。パンダの寿命は20〜30歳とされる。
◆惜しむファン「故郷でゆっくり過ごして元気になって」
夏休みで上野動物園に来ていた千葉県松戸市の小学3年生(8)は「パンダが好きだからさみしい。双子も、お父さんとお母さんが帰ったらさみしいと思う」と悲しんだ。
母親(47)は「上野と言えばパンダなので数が減ってしまうのは残念だが、故郷でゆっくり過ごして元気になってほしい」と願った。
上野観光連盟名誉会長で「パンダ専任大使」の肩書も持つ二木忠男さん(71)は「高血圧で年齢もあり、繁殖が可能ではないので余生を中国で過ごそうということだと思う。正しい決断で、ファンの人たちも理解してもらえれば」と冷静に受け止めた。(鈴木里奈、中山高志)