「地震で大変なのに洪水まで…」避難先から戻った自宅に土砂、浸水する仮設住宅
能登半島地震の被災地に、記録的な豪雨が追い打ちをかけた。
石川県輪島市や珠洲市などで21日、河川の氾濫や土砂崩れが相次いで発生し、1人が死亡、3人が行方不明になった。
地震で自宅を失った被災者たちが身を寄せる仮設住宅も浸水し、家族と連絡が取れない人も。
「地震で大変なのに、洪水まで…」。避難場所に身を寄せる人たちは、不安な夜に逆戻りした。
日本海に面した石川県輪島市門前町鹿磯地区では21日午前、土砂崩れが発生した。
民家が点在する一角の裏山が幅数十メートルにわたって崩れ、空き家1軒を押しつぶして路地をふさいだほか、男性1人が住む木造平屋の民家の中にも土砂がなだれ込んだ。男性は両足を挟まれて一時、身動きが取れなくなった。
男性宅の向かいの住民が土砂崩れに気付いたのは午前9時半すぎ。向かいの男性宅に電話をかけたが出ないため、外に様子を見に出て異変に気付いた。
男性は、会社を定年退職して1人暮らしで、能登半島地震では自宅の被害が比較的少なく、避難先から今春に自宅へ戻っていた。
消防により救出されたのは約5時間後。点滴を受けながら、機材を使った消防によって片足ずつ慎重にがれきから引き抜かれた。
搬出時、男性は会話ができ、救出作業を見届けた近隣住民が「頑張れよ」と呼びかけると、「分かった」と応じたという。
地震で自宅が被害を受けて仮設住宅に身を寄せ、今回の大雨で再び避難を余儀なくされた人たちもいる。