硫黄島「星条旗写真」国防総省が削除 トランプ氏の反「DEI」で 「エノラ・ゲイ」も削除候補
18日付の米紙ワシントン・ポストは、太平洋戦争の激戦地、硫黄島で1945年2月に星条旗を掲揚した瞬間の写真を、国防総省がウェブサイトから削除したと報じた。国防総省は多様性・公平性・包括性(DEI)重視を想起させる写真を削除する取り組みを進めている。先住民の海兵隊員が写っていたため、該当すると認定したとみられる。
国防総省は、広島に原爆を投下したB29爆撃機エノラ・ゲイを削除候補に指定。男性の同性愛者を指す「ゲイ」が名称に含まれるため誤認した可能性があると既に報じられている。戦争の重要な記録が消去される動きだと問題視する声もある。
東京の南約1250キロに位置する硫黄島では、45年2月19日に米軍が上陸し、3月26日に陥落するまで熾烈(しれつ)な戦いが続いた。要衝の摺鉢山での星条旗掲揚をAP通信カメラマンが撮影し、ピュリツァー賞を受賞した。
国防総省はこれまで、この写真に写っていた先住民の海兵隊員について「軍だけでなく、あらゆる職業での先住民による貢献と犠牲」を象徴するものだと称賛していた。
トランプ政権は黒人で米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長を解任した。心と体の性が異なるトランスジェンダーの兵士らを原則除隊とする方針も示している。