「100年に1回」が毎年発生 今世紀末の高温、大雨も増
気象庁と文部科学省は26日、地球温暖化などによる気候変動の将来予測をまとめた報告書の最新版「日本の気候変動2025」を公表した。温室効果ガス削減といった追加の対策が取られない場合、産業革命以前の気候では100年に1回しか起きなかった高温が21世紀末には約99回とほぼ毎年起き、大雨も約5.3回と大幅に増える。
気象庁によると、21世紀末時点の「100年当たり1回」の高温は、19世紀後半よりも約5.9度上がり、日降水量は約32%増加する。気象庁の野村竜一長官は「温暖化と異常気象の関係が定量的に示された」と強調し、「気候変動に適応していく必要がより強くなっている。対策を考える一助となってほしい」と述べた。
報告書は、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の「2度目標」が達成されて21世紀末までの年平均気温の上昇を20世紀末から約1.4度にとどめた場合と、追加策を取らず約4.5度上がってしまう場合に分け、日本の気候を予測した。